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みなさん、こんにちは。
先日、石井隆監督の傑作バイオレンス『GONIN』をご紹介しましたが、今回はその続編にあたる『GONIN2』を語っていきたいと思います。
ちなみに、この作品を観ていて真っ先に思ったことがあるんです。
「今回の緒形拳さん、洋画のホラーに出てくる殺人鬼(かぎ爪の男)並みに怖くない…?」
全身黒ずくめでハットを被り、圧倒的な殺気を放ちながら獲物を追い詰めるその姿。
5人の女たちの物語を観るつもりだったのに、気がつけば緒形さんの怪演に目を奪われていました。
今日は、前作の熱狂とはまた一味違う、女たちの執念と「死神」のような緒形拳さんが暴れまわる『GONIN2』を正直にレビューしていきます。
※ここからはネタバレも含みますので、そういうのが嫌な方はブラウザバック推奨です。
▼松竹公式の予告編はこちら あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション『GONIN 2』
前作『GONIN』でも流れた、安川午朗さんの重厚感のあるテーマ曲が耳に残ります。
前作との繋がり
前回の記事では男たちの散り際を描いた『GONIN』をご紹介しましたが、今回はその続編『GONIN2』に触れていきたいと思います。
「前作を観てないとダメなの?」
と思うかもしれませんが、結論から言うと「単体で観ても全く問題なし」です。
ストーリー上の直接的な繋がりはありませんが、石井隆監督が描く「逃げ場のない焦燥感」や「バイオレンスの美学」はしっかり継承されています。
ただ、前作のファンならニヤリとする仕掛けも。
例えば、前作の役者さんがカメオ出演していたり、上の予告編では竹中直人さんがナレーションを担当されていたりと、シリーズとしての空気感は抜群。
前作が「青い闇」なら、今作は「赤い血」という対比を感じながら観るのも面白いですよ。。
ストーリーをざっくり解説
物語は、一人の男の凄絶な復讐から動き出します。
妻を蹂躙され、自死に追い込まれた男・正道(緒形拳)。
彼は妻の誕生日に贈るはずだった宝石「猫目石」を手に入れるため、復讐を果たした足で宝石店へと向かいます。
しかし、運命のいたずらか、その店には別の強盗団、そしてそれぞれに「人生の行き止まり」を感じている5人の女たちが居合わせていました。
偶然の連鎖から、彼女たちは宝石を手に逃亡することになりますが、背後には執拗なヤクザの影が迫ります。
「たまたまそこにいただけ」
の女たちが、生き残るために銃を手に取り、狂気の世界へと変貌していく。
その姿はまさに女版『GONIN』。
…なのですが、今作にはそんな彼女たちを完全に食ってしまう、とんでもない「怪物」が紛れ込んでいたのです。
ここが見どころ 圧倒的な「緒形拳」の存在感
本作を語る上で外せないのが、主演の緒形拳さんです。
正直に言いますね。
5人の女たちの物語のはずが、緒形拳さんの圧倒的なオーラがすべてを食ってしまっています。
復讐に燃え、死に場所を探す老兵のような佇まいは、まさに「怪演」。
ここで私は、ある洋画のキャラクターを思い出しました。
そう、『ラストサマー』に出てくる殺人鬼「ベン・ウィリス」です。
全身黒のスリッカーコートに身を包み、ハットを深く被り、手には巨大なカギ爪(フック)。
本作の緒形さんも、黒ずくめにハット、そして手に持つのは「自作の刀」。
見た目もさることながら、
「一度狙われたら最後、どこまでも追ってくる」
という絶望的な威圧感は、もはやホラー映画の領域です。
この「死神」のような緒形拳さんを観るためだけに、この映画を観る価値があると言っても過言ではありません。
【衝撃】ラストシーンの解釈
そして、多くの視聴者のトラウマになっているであろうラストシーン。
亡くなったはずの妻・陽子の目が、カッと開く場面…。
初見では「ヒィッ!」と声を上げるほど怖い演出ですが、じっくり考えると、これは単なるホラーではない気がしてくるんです。
自分のために修羅の道を選び、ボロボロになりながらも約束を果たそうとした夫。
そんな正道に対し、「あなた、よくやってくれたわ。ありがとう」という、妻からの最期のメッセージだったのではないか。
そう思った瞬間、あの恐怖のシーンが、切なくも美しい愛の形に見えてきて、少し感動すら覚えてしまいました。
…あ、もうひとつ「別の意味での衝撃」も忘れてはいけません。
大竹しのぶさんの女子高生コスプレです。
最初に画面に現れた時は
「…ウソだろ?」と二度見しました(笑)。
石井監督特有の、シリアスの中に混じる
「異質で、どこか狂気を感じる笑い」
の要素なのかもしれませんが、これもある種、この映画が心に爪痕を残す大きなスパイスになっています。
どちらが良いかと言われれば…
正直に言えば、衝撃度や完成度では前作『GONIN』の方が上でした。
やはり前作の「絶望感の密度」は凄まじかったですからね。
ですが、この『GONIN2』も、女性たちの「しぶとさ」や、緒形拳さんの魂を削るような演技、そして石井監督特有の「雨と夜」の映像美は健在です。
「完璧ではないけれど、観終わった後に消えない傷跡を残していく」。
そんな、あえて『2』から観るのも悪くない、異色のバイオレンス映画でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました👤
前作『GONIN』のレビューはこちら

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